主の祈り
だから、あなたがたはこう祈りなさい、
天にいますわれらの父よ、
御名があがめられますように。
御国が来ますように。
みこころが天に行われるとおり、
地にも行われますように。
わたしたちの日ごとの食物を、
きょうもお与えください。
わたしたちに負債のあるものをゆるしましたように、わたしたちの負債をもおゆるしください。
わたしたちを試みにあわせないで、悪しきものからお救いください。
マタイ6章9節ー13節
私が教会に通い始めた頃、礼拝の中で参加者の人たちが立ち上がり、皆が声を合わせて聖書を見ることなく”主の祈り”を祈る姿に驚きを感じました。それほど短くない文章を、誰一人間違えることなく声を一致させて祈るのです。しばらくしてから、これがイエス様が奨められた”主の祈り”であると知り、自分も一生懸命に暗記しました。
あれから30年以上の年月が流れました。私はこの主の祈りによってどれだけたくさんの試練を乗り越えることができたか、しみじみと感じています。私たちの生活は山あり、谷ありです。平穏な気持ちで祈ることができることもあれば、とてもそんな気になれない事だってあります、いやむしろ、そちらの方が多いかもしれません。しかし、そんな時でもこの主の祈りを、心を込めてゆっくりとその意味を噛みしめるように祈りはじめると、不思議と心が整えられることを何度も経験しました。
なぜならイエス様もあの波乱万丈な生涯を、いつも神様に祈りながら乗り越えていかれたのです。数えきれない程の祈りの中から、選び出された珠玉の言葉が主の祈りの中に散りばめられているのです。この宝石のような祈りを私はこれからもしっかりと握りしめて、この世の旅路を歩み続けていきます。